落としたら拾う、コレ基本





カトリのモニョリ
とか
カトリとメイサの不釣り合い
とか
それを邪魔する、国仲涼子はいったい何だったのか
とか
ダーク要素の血だらけ藤木直人
そのあばずれ妻もただの“釣り”でしかなかったこと
とか
そもそも、藤木直人の弁護士設定も何だったの
とか
小林薫原田美枝子ママのプチロマンスのいらなさ
とか
意外と頑張ってる、綾部と里依紗がからまわってかわいそう
とか




まだいい
それは、演技力の問題だったり
ひよったキャスティングによる弊害だったり
突貫工事による詰めの甘さだったり
するわけで
それでも、まだ“観れる”ドラマに仕上がってると思うし
その辺はおおらかな気持ちでいられる
超フジッ子な僕な訳だし





だけど
先週くらいまであった
大倉孝二とぽっちゃりちゃんとの
“初めはケンケンガクガクだけど、最後は結ばれる”
という
ラブストーリーの超超超王道の伏線をぶっ飛ばす
大倉孝二、一目惚れ(美人)現る
ってなんなの?
今までの
大倉孝二とぽっちゃりのけなし合ってるのに微笑ましいやりとり(最後は結ばれるク・セ・に!)はいったい何だったの?
登場人物たちのどのカップルよりお似合いで、微笑ましかったものが
今回、ぽっちゃりは登場すらしなかったし
ここへきて、大倉孝二が美人と付き合うとか、クソすぎる
そりゃあ、ブー同士のカップルにはドリーム感がないけれど
じゃあ、いままでのやりとりは何だったのか、と
伏線、引くだけ引いといて、拾わないとか
なにやってんだよ!!!!
クソゲツク!!!!!
ボケ!!!!!!!!






それとは逆に
伏線をばらまくだけばらまいて
一個一個ちゃんと拾っていった(ちゃんと掃除できたかは別として)のが
名前をなくした女神



初回の釣りアイテム“ママ友データファイル”っていったい何のために、、とか
中盤、煽らんでもいいだろと思ってた、りょうに対する妙な煽り、、とか
オノマチの変態メガネ夫の社内セクハラ疑惑はただの“疑惑”だったとしても、オノマチが目撃した夫の女子高生痴漢問題は、、とか
木村佳乃萩原聖人のプチロマンスの顛末、、とか
佳乃の旦那の二重生活はいったい何だったの、、とか
直接的で、表面的に“悪”だった倉科カナの結末、、とか
諸悪の根源、杏の超脳天気問題、、とか




拾えるモノは拾って
拾えなくっても、とりあえずつつくくらいのことはして
最後は上手いことまとめた
脚本、渡辺氏、ごくろうさん!!
とにかく
他のモノは拾わなくても良いけど
オノマチ夫のリアル変態疑惑にまでちゃんとさかのぼって
“決着”つけてくれたのには、視聴者への愛が感じられました
(伏線を)落としたら、拾う(決着つける)、はドラマの基本であり
ちりぢりに散らばった伏線の回収こそ
映画にはない、連ドラで長期間だからこそのダイナミズムが生まれるのです




演出面においても
各話、サブタイは冒頭に出す
ってのを逆手にとった
第10話ラスト、、、




杏がまた地雷踏んでるよ!
りょうの地雷踏みまくりだよ!
杏、呑気すぎんだろ!
杏、慎め!
りょうがスゴイ目で観てる!
りょうやめて!
りょうがラスボスなの?
りょうなの!!??
やめてーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!
って
絶叫した(僕が)瞬間出てきた


第10話「本当の敵が今隣に」!!!


という
サブタイインパク



イカした演出で
鳥肌たちました




他、
キャスティングでも
本筋には関係ない
りょうの長男役をわざわざ芸達者の子(壽賀子、99年の愛のクソガキ)にしたことで
最終回、ラスボスのりょうが“浄化”するのに
あの子の演技力がどれだけ説得力をもたらしたことか
ちゃんと、最後を見通してキャスティングしてるんだな





しっかし
りょうの旦那のエグザイルだけは
芸達者祭のこのドラマで一番浮いてた
(まさか、つるの剛士より壮絶“棒”だとは、、)
“浮ついた旦那”っていうビジュアル面では完璧だったのに
しゃべらすと“棒”


とにかく練習あるのみ!ファイト!!(何様か)





よくよく考えると
最初に自殺未遂した安達祐実っていったい何のために、、とか
オノマチは杏の子供を誘拐したのに、最後は友達とか、ファンタジーすぎる、、とか
最後の最後でかなりの悪行をやってのけたりょうが
結局、謝るだけってぬるすぎる、、とか



いろいろありますが
なんやかんや
諸悪の根源、杏は
最後の最後まで
超呑気野郎で
一切反省することなく、ハッピーエンドでしたってのが
筋が通っててイイ!!



根っから良い子ぶってるヤツは
ちょっとやそっとじゃ(息子が誘拐されようと)
矯正されないぞ
という風刺
エッヂが効いてる!!!!!


まあ
制作サイドは
そんなつもりはないんだろうけども、、、



だけど
釣りドラマだろうが何だろうがおもしろければなんでもいい!
と思っていた
僕の“おもしろ”ってこういうドラマのことなんだな

いろんなものをばらまいちゃったら
ちゃんと拾わなきゃ
ストーリーに集中できないもの
そんなとこまで気にして観ちゃいない
という
制作サイドが視聴者を馬鹿にするかのような
釣るだけ釣るドラマが最近、どれだけ多かったことか
それに比べて、渡辺氏の脚本は、なんとも良心的、、


だから
釣りまくってクソだった
ラスト・フレンズ」を渡辺氏が書いてたらと思うと、、
ラスト・フレンズ」のトラウマから未だに抜け出せないクソな僕は
未だに、そんなことをウジウジと言っとるわけですが



渡辺氏の連ドラ能力は
今、若手の脚本家の中ではかなり抜きん出ていると思うので(「泣かないと決めた日」もそうだったけれど、2作連続で初回9パーから最終回15パー近くまで上げられる脚本家って今いない!!)
あと、1本は釣りドラマつくって
「泣かないと決めた日」
名前をなくした女神
と並ぶ
“釣り三部作”を完結させてから
(社内イジメ、ママ友イジメ、、、と来たら、原点回帰、学校イジメでしょ!!高校生モノでお願いします!!!!!)
あとは自分の書きたいような作品を書けばいいんじゃないかな!!(何様か)




もし
“釣り”好きだとしたら
その道を極めて、是非とも、哲学少なめの女野島伸司になってもらいたいものです