濃縮還元野島伸司
もう夏も近づいてきたことだし
久々にUZ(おだゆーずぃー)の「君の瞳に恋してる」をどうしても聴きたい!!
と
ゆーちゅーぶさんを漁ってたら
あ
そう言えば裕二の「太陽と海の教室」(UZのそれが主題歌)のサントラ(服部隆之)も夏らしくってステキだったなと思い出し
とりあえずUZ置いといてそれを探し始めたら
全然関係ない、こんなに素晴らしい動画を発見しました!!!
僕が思うに野島伸司のTHE野島伸司的作品の最後だと思う
1999年の月9ドラマ「リップスティック」の
(おそらく)第11話のラスト〜最終回序盤の
真白(池脇千鶴)投身自殺〜ヒロスエ襲撃シーン
をひとまとめにした動画
この動画には野島伸司の強烈なあざとさと
なのにそれ以上に、どうしても魅了されてしまう巧さと哲学が凝縮されています
このドラマは
少年鑑別所の職員とそこに送られてきた少女、という究極の空間で繰り広げられるTHE野島伸司(プラトニック)な恋愛と
鑑別所で同室になった5人の少女たちのTHE野島伸司(こっ恥ずかしい会話劇)な友情ドラマ
なんだけれど
観ていた方は皆そうだと思うんですが
その5人の少女の中で
真白(ピュアで真っ白だから真白というTHE野島ネーム)のエピソードがその時の神憑った池脇千鶴と相まって珠玉なんです
義父に性的虐待を受けその子を宿したりやんやで実母にまでなじられ鑑別所を出ても居場所がなくなってしまった真白は、家へ戻ると案の定、義父に犯されてしまい
失意の底、意識薄弱の中
“空を飛べるかも知れない”
と身を投げて死んでしまう
という
野島流とことんすぎるハードと
意味不明だけど心に突き刺さるファンタジー
“空を飛べるかも知れない”
ってのはこのドラマの中でキーワードとして第1話から出てきていて(多分、ヒロスエが鑑別所に入る前、事件を起こして逃げるときに“空を飛べる”だか何だか意味不明なこと言ったり何だり、、その辺うろ覚え)
そのことがここへ来てこういう形で繋がったときものすごく感動したことを覚えています
(僕はこの頃、高1だったんだけど、目には見えない“感じる伏線”ってのを初めて体験したから感動したんだと思います)
で
映像も(おそらく監督は「冷静と情熱〜」の中江功監督)
演技も
劇中曲もとてつもなく素晴らしい
義父が階段を一歩一歩上っていって真白に近づいていく恐怖感はTHE中江監督なカット割りだし、
それに気付き、鑑別所にいる仲間の一人一人の名前を震えながら叫ぶ池脇千鶴は彼女にとってこれからも絶対表現できない女優人生ベストアクトだと思う(一番に声が若いんだな、多分)
で
結局やっぱり犯されちゃっての“レベッカ”の切なさたるや
この曲はこのシーンの為だけに作ったのかと思わせるほどのドはまりな曲調と歌詞でシビれます(ホントはそれから15年も前に作られた曲だというのに)
で
僕はコレ聴いてものすごく感動して
このときリバイバルで発売したCD「レベッカ/フレンズ」のカップリングには
絶対その曲(VIRGINITY)が入っているに違いないと何の確認もせずに(そもそもその曲名も、それを調べる能力もなかったので)CD買ってカップリングに全然違う曲が入ってたので愕然としたという思い出が
(で、後にアルバム借りて「VIRGINITY」を聴いたけれど、「フレンズ」と「VIRGINITY」以外、どれも僕には響かなかったという、僕の馬鹿ドラマ耳)
で
だめ押しなのが
それについで真白の葬式にヒロスエら4人の少女がやって来て
それぞれの思い出をフラッシュバックさせながら花をたむけ、、
からの
ヒロスエ、ビニ傘で突進して義父をぶっ刺す!!!
っていう
くだり
たまらん!
どこでどう考えたら
“ビニ傘”で
“突進して”
“ぶっ刺す”
なんて思いつくのか
野島伸司がハードの天才だと思うのはこのくだりが僕の脳裏にずっと焼き付いているからです
未だにビニ傘見ると(特に先が銀色のヤツ)このシーンを思い出すほどのトラウマ映像
だって
何で刺すより
身近にあふれてる“ビニール傘”で刺すって(しかも、もちろん突進して)
超エグくない?
このシーンは
野島伸司の名作「高校教師」にて
生物室で、桜井幸子を想う女子先輩が
桜井幸子との関係を疑う真田広之(生物教師)に塩酸ぶちまける
ってシーンに並ぶ
野島伸司トップクラスのショッキングシーンだと思います
で
このリップスティックには
三上博史のカノジョ麻生祐未が
ヒロスエと三上の関係にいち早く気付き、嫉妬し、クレイジーになり
ヒロスエの目の前で教室だかどっかに置いてあるテレビを床にぶちまけて失明する(麻生祐未自身が)
という
ショッキングシーンもあります(このシーンはあまりにも唐突すぎて、意味不明すぎて、そもそも、テレビをぶちまけると失明するってのを理解するのが大変だったのもあり、ポカーンとした思い出が)
僕だってまだ若いし
僕が生まれる前やその周辺に名作ドラマがゴロついてるってのもわかってるし
野島伸司がテレビドラマに革命を起こしたことも
その反対に、視聴者に媚びるようなあざとい表現でテレビドラマをチープにさせた面もあるってわかってるつもりだけれど
僕が多感だった頃に感じた、野島ドラマの楽しさや興奮を
今のドラマつまらんと思ってるかも知れない少年少女たちに伝えたい!!(だんだん変態目線になってきた)
とにかく
THE野島伸司を肌で感じたことがなくって
なのに、何故、野島野島と言われているのか実感できない非野島世代(「理想の息子」世代)のちびっこ(多分いないし、そうだとしてもこんなとこ見てない)には
この濃縮還元野島伸司動画を見て
野島伸司の野島伸司たる所以を感じてもらいたい!
っと
いきなりこんなどうでもいい話題で
興奮しまくって気持ち悪!
なのは
この動画観た途端、あの頃の自分と寸分違わずシンクロし、興奮し、少し泣いちゃったからです
だからって
こんなトコに僕の余計な解説加えて書くもんでもないんだけど
でもさ
もう十何年も前のドラマだというのに
映像が今よりクオリティ高いと思わない?(誰に)
あ
っていうか
こういうアップロードが禁止になっちゃうの?
なんてもったいない
(そういうことも言っちゃいけない?)