Q10 ♯1と♯2



って程、昔じゃないけど
我らが福本義人先生が
僕のマイベストドラマ
天才柳沢教授の生活」を
一緒に観て、俺がこてんぱんにしてやる!
というので
先生の部屋にビデオを持参して
一緒に“教授の第1話”を鑑賞したのですが

初っぱなから
松本幸四郎の動きが変すぎる
ロボットのようにみせたいのか
音楽かかりすぎ
冒頭から15分以上音楽がかかってる
うるさすぎだ

それに対し

これは絵本の様なお話だから
絵本を1ページ1ページめくるような
コミカルでなんやりで…
だからそれが良いんだ

いや
ダメだ
感情がない人に見えるだろ


鈴木雅之(教授の監督)もネタが尽きてきている

いや尽きてない
むしろコレが到達点だ

いいや
鈴木雅之は新しいことに悩んでた

鈴木雅之
ミステリの演出はまあまあいいから
ミステリをやればいい

鈴木雅之
俺を先生と呼ぶんだぞ!


最終的には権力までふりかざし

やんややんやの
押しても引かない
熱い舌戦を繰り広げ
たいしてドラマも観ないまま
福本先生との鑑賞会はケンケンガクガクのまま終わったのですが
(僕はなんて生意気だったんだ)


その中で
戸田恵子は演技が顔に出るから俺は嫌い
ってなことを言っていて
それは
演技する前から顔で演技してるからつまらない
ってことなんだろう(多分)
よくはわからなかったけど
その時は
大好きな“教授”を否定されたので
とにかく無闇に反発してたんだけども(クソ生意気!)


今回
Q10における
佐藤健の演技を観て
ふと
福本先生の言ってた
戸田恵子が嫌い”
っていうのを思い出したのです


つまり
佐藤健、顔で演技しすぎ!
ってことです

物語の冒頭
木皿泉特有のむずがゆくなるようなモノローグ(この地球上に自分より大切に思える人なんているんだろうか?…)からはじまるのだけど

それが
かっこよくしゃべろう
いや
かっこいい声出そう
ってのに終始していて
台詞が全然入ってこない

いざ
佐藤健が出てきて演技をするも
顔を“キメ!”てから
“かっこいい声!”で台詞をしゃべろうとするので
感情がない
お前がロボットか!
(キャラクターとしてそういう意図はあるのかもしれないけど)


あと
本人にそのつもりがあるのか定かではないけど
かわいくもないのに
かわいこぶりっこしてる気がするから腹が立つ
“土曜夜9時キュート!(ハート)”
って小首かしげる佐藤健
見るたびイラっとさせられる

いろんな意味で細いから
主役としては弱すぎだろう


あ!
あと関係ないけど
フィッツ(ガム)のCMの
佐藤健のダンスはキレがなさ過ぎ
(あんなにフニャフニャしてる佐々木希の方が数倍キレが良い)



おとといきやがれ!


まあ
でも
佐藤健の件は個人的嗜好存分なので
百歩譲りまくって許しても

演出がクソすぎ!
木皿泉の3作品
「すいか」は映像は安かったけど独特の“生活感”が画面に出てて素晴らしかったし
野ブタ。をプロデュース」はとにかく映像が美しかったし
セクシーボイスアンドロボ」は映像遊びとサントラがずば抜けていたし


木皿泉の脚本に負けない独特の映像世界を構築していたのに

今回は
映像も安い上に
映像遊びもない
音楽のかけ方も選曲もセンスがないし
ときどき
ピントが合ってないし
到底プロの仕事とは思えない仕上がり


脚本に頼りすぎたか
脚本のメッセージ性にとらわれすぎたのか
めったにない木皿泉のドラマチックな部分の
第1話、校庭でみんなそろって“HELP”と叫ぶシーン
第2話、私は人魚とか言って突然海に飛び込むシーン

あまりに浮きすぎてる!
はずかしすぎる!


もうそうなってくると
あまりにストレートすぎる脚本にも文句を言いたくなってくるわけで(そんなんじゃ若者の心に響かないじゃないか?響く前に、恥ずかしくなる)


みんなして稚拙だし青臭すぎるから
もっと大人の仕事をしてほしい(流れ星はフレッシュな脚本を取り囲む演技陣や映像が実に大人の仕事だなと感嘆します)



でも
ポップでキャッチーなサントラと
ロボット目線で写されるエンドロールは素晴らしいと思います
フォローになってないけども


なんやかんやで
3話も観る!